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ZIMAさんの献血体験談(アンコール小児病院)

ZIMAさんより、mixi内の日記として記載されているカンボジアでの献血体験について、献血.netへの転載の承諾をいただきましたので 転載させていただきます。なお、編集上の都合その他の理由により、一部省略させていただいているところもあります。

カンボジアで献血なんて、ええっ!と思われるかもしれませんが、アンコール遺跡のお膝元・シェムリアップには日米の共同NPOが運営している小児病院があり、意外にも献血のハードルは低かったです。 小児病院は町の中心部に位置しており、大抵の宿からならバイクタクシー、トゥクトゥクなどで1〜2$出せば行ってもらえます。 門の脇の守衛さんのところで記録簿に日時・氏名と用件(blood donation)と書けば中に入れてもらえます。この時は警備員さんが献血ルームまで案内してくれました。

まずは問診表記入。なんと日本語訳も用意されており記入は簡単。電子辞書も用意して行ったのですが、英文自体も平易に書かれており中学生レベルの英語力があれば、記入にはまず問題ないと思われます。 氏名・性別・住所・生年月日・血液型などを記入したあと、質問項目があります。中国では40問ぐらいあって結構タイヘンでしたが、ここではわずか6問。

  1. 過去に献血したことがありますか?(はいの場合、いつですか)
  2. 過去に輸血されたことがありますか?(同上)
  3. 3ヶ月以内に病気を患いましたか?(はいの場合、病気の種類)
  4. 薬品、薬物を常用していますか?(はいの場合、薬の種類)
  5. 注射針の使いまわしをしたことがありますか?
  6. 6ヶ月以内に、特定の相手以外と避妊具をつけずに行為をしましたか?

という簡単かつ大切な問題。 「今日の体調はよろしいですか?」とか他に聞くことはないのか、と思いましたが、全部回答し最後に署名して記入完了。 ちなみに、HIV・HBsAg(B型肝炎)・HCV(C型肝炎)・梅毒の検査が実施され、陽性が出た場合は通知されるそうです。HIVも通知してくれる所が日本と違うところですな。

問診テーブルの後ろには冷蔵庫が置かれていて、献血された血液が出番を待っています。

・・・で記入終わったら看護師さんに廊下の向かい側にある採血室へ連れていかれました。採血室は2m四方程度の恐ろしく狭い部屋で窓もなく、密室状態。ベッドが1つ置いてあり横になって献血するようです。 いきなりベッドに上がるよう言われ、靴を脱いで横になりました。あのー、前検とかないんすか?

室内には一応採血基準が掲示してありました。

  • 年齢 18〜65歳
  • 体重 男性45kg・女性42kg以上
  • 血圧 男性 100/60以上〜160/90以下・女性 90/50以上〜130/80以下
  • 採血量 350ml/回
  • 身体および健康状態に問題がなく問診をパスできること(問診はありませんでしたが)
  • 上限 男性4回/年・女性3回/年(間隔については記述なし)

とだそうです。中国で献血したときは興奮のあまり血圧が高すぎて一度落とされましたが、ここでは問診表上で問題がなければ落とされることはまずなさそうです。血液の濃さとか規定しておかなくていいのか?という気もしますが、 四の五の言っている余裕がないのでしょう。

で、いよいよ採血。ベッドが壁と平行に置かれているため、おのずと右腕から採血。僕の右腕はあまりイイ血管がなくて、日本での約150回の献血のうち、右腕から本採血されたことなんて2,3回しかないんですが、 それでも看護師さんは無言で適当な血管を探し出してグサ! 痛かったですが漏れたりすることもなく、技術は良い方だと思います。

針は安全なのかというのが最大の疑問でありますが、採血キットは日本の献血ルームと同じテルモ社のテルフレックスを使用。もち新品で使用期限内であることを確認しました。針の径は16G。これも日本と同じ。

採血機はベッドの下に置かれており、台秤と振動台のようなものが1台ずつ。今回は振動台が使われていましたが、ただバッグを載せた台が揺れ動くだけで、吸引機能や重量測定機能はないようです。手前の青い箱は採血キットです。

バッグがいっぱいになったところで終了。バッグには採血日とドナー名がローマ字で記入されていました。検査用の血液採取は日本と逆で、針を抜いてからチューブ内に残った血をスピッツ2本に移し変えていました。

で、その場で「Present」と言われ処遇品を受け取り。 処遇品は

  • 缶入りコカコーラ1本
  • お菓子(日本の献血ルームでもよく見かけそうなお菓子です。ちなみに市価0.5米ドル程度)
  • オリジナルTシャツ(英語とクメール語で「友達のために献血しました!」と書いてある。これはすばらしい!)

の3点セット。嬉しかったです。 献血手帳はもらえませんでした(ないのか?)。

あと、10月の献血マンスリーレポートを見せていただきました。 それによりますと10月の採血人数は85人だったそうなのですが、数字を分析すると面白いです。

  • 性別:男性52人・女性33人
  • 血液型:A型23人(うちRH- 1人)・B型31人(同)・O型30人(同)・AB型1人
  • 外来者:9人(残り76人は病院の中の人による献血)
  • 用途:新鮮全血5・全血7・Pack cells(*) 65・新鮮凍結血漿3 (*)Pack cells というのはよく分かりません。血小板?

85人も献血していて、外来が9人というのが何とも。あとAB型献血者が著しく少ないです。カンボジア人の血液型構成はよく分かりませんが、A型とB型がそれなりにいる以上、AB型の人間がほとんどいない、 ということは無いと思うのですが…。AB型の人が献血に行くと熱烈歓迎されるかもしれません。

ということで、みなさ〜ん、アンコール遺跡へ行った際には小児病院へ寄って献血しましょう。

  • 開所日:月〜土
  • 受付時間:8時〜12時・14時〜16時(土曜はAMのみ)
  • 全血のみ受付
  • 事前に運営団体(http://www.fwab.jp/)に連絡しておけば日本語のできるスタッフもサポートしてくれるそうです(中学生レベルの英語が出来ればサポートなしでも何とかなりました)。問診表の日本語訳も用意してあります。

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Last Update: 2013/03/30 / Copyright (C)2001-2013 献血.net ("Blood Donation dot net" in Japanese)

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